ALT と ALP:異なる手掛かりを分けて読む
各酵素の意味を分け、症状、ほかの所見、再検査と結び付けます。
編集:TengRip · 導読更新:2026-10-25
獣医師による審査は未実施です。診断ではなく報告書を読むためのガイドです。
これらの所見を一緒に読む
ALT は主に肝細胞の損傷、ALP は胆汁うっ滞や骨などの影響に関わります。足し合わせたり相殺したりせず、犬の解釈をそのまま猫へ当てはめないでください。
当サイトでは決まった正常値を載せていません。基準範囲は検査機器や方法によって違うため、必ずお手元の報告書の範囲を使ってください。
報告書を整理する手順
- 値、基準範囲、日付、前回結果を記録します。
- 薬と観察した食欲、嘔吐、色の変化を伝えます。
- 追加検査、画像検査、再検査について確認します。
| 検査 | 手掛かりと限界 | 一緒に見る資料 |
|---|---|---|
| ALT | 主に肝細胞の損傷の手掛かりであり、肝機能の点数ではありません。 | ALP、ビリルビン、症状、必要に応じ筋肉や甲状腺の情報。 |
| ALP | 胆汁うっ滞、骨などに関わり、猫と犬で解釈が異なります。 | ALT、GGT、ビリルビン、必要に応じ甲状腺の情報。 |
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
主に肝細胞の中にある酵素で、肝細胞が傷つくと血液中に出てきます。甲状腺機能亢進症の猫でもよく上がります。
何を調べる項目か
ALT は肝細胞の中にある酵素です。肝細胞が傷つき細胞膜が壊れると、ALT が血液中にもれ出します。そのため主に「肝細胞が傷ついているか」を見る項目で、肝臓の働きの良し悪しを直接示すものではありません。
高いときに考えられること
主な原因は肝細胞の障害で、その理由はさまざまです。そのほか、一部の薬(抗てんかん薬、ステロイドなど)による肝障害、重度の筋肉の損傷(猫の大動脈血栓塞栓症など)、猫の血液検体の溶血による見かけ上の上昇があります。米国動物病院協会(AAHA)のガイドラインでも、甲状腺機能亢進症の猫では ALT や ALP の上昇がよく見られるとされています。
低いときに考えられること
判断は主に高い場合が対象です。臨床の判読ガイドでは、ALT の低値は対処が必要な状態として挙げられていません。
一緒に見ることが多い項目
ALP、ビリルビンなどほかの肝臓の数値。筋肉由来が疑われる場合は筋肉の酵素も見ます。シニア猫では甲状腺ホルモン(T4)も。
再診・経過観察の目安
ALT がどの程度、なぜ上がっているかは獣医師の総合的な判断が必要で、再検査やほかの肝臓の検査、画像検査をすすめられることがあります。食べない、吐く、黄疸(歯ぐきや白目が黄色い)などの症状もある場合は、早めに受診してください。
この節の出典
アルカリフォスファターゼ(ALP)
胆汁の流れや骨の活動に関係する酵素です。猫の肝臓には ALP が少なく、血液中には約 6 時間しかとどまらないため、猫ではわずかな上昇にも注意が必要です。
何を調べる項目か
ALP は主に胆汁の流れが滞っていないか(胆汁うっ滞)を見る項目で、骨の成長や再構築でも上がります。この項目は猫と犬で大きく違います。猫の肝細胞には ALP が少なく、肝臓由来の ALP は猫の血液中に約 6 時間しかとどまりません(犬は約 66 時間)。そのため臨床では、猫の ALP のわずかな上昇も見過ごすべきではないと考えられています。
高いときに考えられること
胆汁うっ滞(肝臓や胆道の病気)、成長中の若い動物、一部の薬(抗てんかん薬など)、猫の甲状腺機能亢進症(主に骨由来の ALP の上昇)、骨折の治癒や骨の腫瘍などが考えられます。犬ではステロイドの使用や副腎皮質機能亢進症もよくある原因ですが、猫では比較的まれです。
低いときに考えられること
判断は主に高い場合が対象です。臨床の判読ガイドでは、ALP の低値は対処が必要な状態として挙げられていません。
一緒に見ることが多い項目
ALT、GGT、ビリルビンなどほかの肝臓の数値。シニア猫では甲状腺ホルモン(T4)。
再診・経過観察の目安
猫の ALP の上昇は必ずしも肝臓病ではなく、甲状腺機能亢進症の可能性もあるため、見分けるには獣医師によるさらなる検査が必要です。最近食欲がなかったり数日食べていなかったりして ALP も高い場合は、早めに受診してください。猫は長く食べない状態が続くと脂肪肝のリスクがあります。
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受診時の質問
- どの原因や変化を調べていますか?
- ほかの所見と症状は一致していますか?
- 次回は何を比較しますか?
匿名報告と比較
実際の報告書で読み方を練習 →
3 院所・3 匹の腎臓指標、血糖、膵リパーゼ、血球数を病気の手がかりと結びつけます。
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関連ガイド
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