血糖と甲状腺 · T4
甲状腺ホルモン(T4)
中高齢の猫によく見られる甲状腺機能亢進症の検査で最もよく使われる項目です。ほかの重い病気があると T4 が下がり、結果が正常に見えることがあります。
当サイトでは決まった正常値を載せていません。基準範囲は検査機器や方法によって違うため、必ずお手元の報告書の範囲を使ってください。
何を調べる項目か
T4 は甲状腺から出る主なホルモンで、全身の代謝の速さに影響します。猫で最も多い甲状腺の問題は「甲状腺機能亢進症」で、中年以上の猫に多く、ほかの病気を併せ持つこともよくあります。血液検査の総 T4 は、この病気のスクリーニングに最もよく使われる項目です。
高いときに考えられること
主な原因は甲状腺機能亢進症です。典型的な症状(よく食べるのにやせていくなど)がすでにある高齢猫では、甲状腺機能亢進症の猫の 9 割以上で総 T4 が明らかに高く、診断はふつう難しくありません。甲状腺機能亢進症の猫では ALT や ALP の上昇もよく見られます。
低いときに考えられること
甲状腺が正常な猫でも、ほかに重い病気があると総 T4 が基準範囲より下がることがあり、これは甲状腺そのものの問題を意味しません。また、甲状腺機能亢進症の治療(放射性ヨウ素など)を受けた猫では甲状腺機能低下が起こることがあります。それ以外では、猫の自然発生の甲状腺機能低下症はまれです。
一緒に見ることが多い項目
遊離 T4(fT4)、クレアチニン、SDMA、ALT、ALP。甲状腺機能亢進症は腎臓のろ過の速さを上げ、もともとある腎臓の問題を隠すことがあるため、獣医師はふつう腎機能も同時に評価します。
再診・経過観察の目安
獣医師が甲状腺機能亢進症を疑っているのに T4 が基準範囲の高いほうの半分にある場合、AAHA のガイドラインでは 2〜4 週間後に T4 を再検査し、あわせて遊離 T4 も調べることがすすめられています。どちらも正常なら、ほかの病気がないかを調べます。すでに治療中の猫は、獣医師の予定に沿って T4 と腎臓の数値を定期的に確認しましょう。
実際の報告書で読み方を練習 →
3 院所・3 匹の腎臓指標、血糖、膵リパーゼ、血球数を病気の手がかりと結びつけます。
継続的に記録したいなら: Chronlo
Chronlo なら血液検査の報告書を写真から取り込み、各数値の推移をグラフにできるので、獣医師との経過確認に役立ちます。
関連ガイド
情報源:
- AAHA 2023 Selected Endocrinopathies of Dogs and Cats Guidelines — Feline Hyperthyroidism
- Peterson ME. More than just T4: diagnostic testing for hyperthyroidism in cats. J Feline Med Surg. 2013
- eClinpath — SDMA
本サイトの内容は参考情報であり、獣医の診断に代わるものではありません。異常が見られたら早めに受診してください。