腎臓の検査値を一緒に読む:CREA・SDMA・BUN・リン
ろ過機能、食事や水分の影響、血中リンを別々の赤字としてではなく、関連する情報として整理します。
編集:TengRip · 導読更新:2026-10-25
獣医師による審査は未実施です。診断ではなく報告書を読むためのガイドです。
これらの所見を一緒に読む
クレアチニンと SDMA に、BUN・リン・尿検査を組み合わせます。筋肉量、食事、水分状態、検査方法も確認します。一項目が基準内でも、ほかの情報を無視することはできません。診断や自動ステージ判定ではありません。
当サイトでは決まった正常値を載せていません。基準範囲は検査機器や方法によって違うため、必ずお手元の報告書の範囲を使ってください。
報告書を整理する手順
- 日付、値、単位、基準範囲、検査機器を記録します。
- 食事、投薬、体格、飲水と排尿の変化を伝えます。
- 必要な尿検査と再検査を獣医師に確認します。
| 検査 | 手掛かりと限界 | 一緒に見る資料 |
|---|---|---|
| CREA | 腎臓のろ過機能の指標。筋肉量が少ないと問題を過小評価することがあります。 | SDMA、BUN、リン、尿比重、前回の結果。 |
| SDMA | 筋肉量の影響を受けにくい別のろ過指標。異常は総合的に確認します。 | クレアチニン、BUN、尿検査、必要に応じ甲状腺の情報。 |
| BUN | 蛋白の分解と排出に関わり、食事、水分状態などにも影響されます。 | クレアチニン、尿検査、蛋白、血球、肝臓関連の所見。 |
| PHOS | 血中のミネラルの結果であり、食品表示のリン含量とは別です。 | カルシウム、BUN、クレアチニン、獣医師の経過観察計画。 |
クレアチニン(CREA)
最もよく使われる腎機能の指標の一つで、腎臓が血液をろ過する力を反映します。猫の慢性腎臓病のステージ分類に使われますが、筋肉量の少ない猫では低く見積もられることがあります。
何を調べる項目か
クレアチニンは筋肉の代謝でできる老廃物で、主に腎臓でろ過されて排出されます。腎臓が血液をろ過する速さ(糸球体ろ過量)が落ちると、クレアチニンが排出されずに血液中にたまります。そのため腎機能を評価する代表的な項目で、国際腎臓病研究グループ(IRIS)の慢性腎臓病のステージ分類もこれを基準にしています。
高いときに考えられること
高い値は腎臓のろ過機能が落ちていることを示します。原因は大きく 3 つに分かれます。腎臓そのものの問題(慢性腎臓病など)、腎臓より前の問題(脱水で腎臓への血流が減るなど)、腎臓より後の問題(尿路閉塞で尿が出ないなど)です。そのため、クレアチニンが高いだけでは腎臓病と確定できず、獣医師はふつう尿検査をあわせて判断します。短期間(たとえば 2 日以内)に明らかに上がった場合は急性腎障害の可能性があり、早めの再診が必要です。
低いときに考えられること
クレアチニンは筋肉からできるため、筋肉量が少ない動物では低くなります。たとえば食事が十分にとれず、明らかにやせている猫です。特に注意したいのは、筋肉が落ちたシニア猫では、クレアチニンが「正常に見えて」も腎臓の問題を低く見積もっている可能性があることです。獣医師が SDMA を追加で調べることがあるのはこのためです。
一緒に見ることが多い項目
尿素窒素(BUN)、SDMA、リン、尿検査(特に尿比重)。尿比重は、腎臓がまだ尿を濃くする力を保っているかを判断する助けになります。
再診・経過観察の目安
慢性腎臓病と診断された後、IRIS は「空腹で、状態が安定し、脱水がない」ときの少なくとも 2 回の検査結果でステージを分けます。猫のクレアチニンによる区分は、ステージ 1 が 1.6 mg/dL 未満、ステージ 2 が 1.6〜2.8、ステージ 3 が 2.9〜5.0、ステージ 4 が 5.0 超(単位 mg/dL)です。ステージ分類は慢性腎臓病と確定した場合にだけ使うもので、1 回の数値で自己判断しないでください。クレアチニンは個体差が大きいため、その猫自身の過去の値と比べるのが最も参考になります。
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SDMA(対称性ジメチルアルギニン)
比較的新しい腎機能の指標で、クレアチニンのように筋肉量の影響を受けないため、腎機能の低下を早く見つけられる可能性があります。一方で原因のはっきりしない高値も出るため、再検査が必要になることがあります。
何を調べる項目か
SDMA は体の細胞が一定の速さでつくる物質で、主に腎臓から排出されるため、クレアチニンと同じく腎臓のろ過機能を反映します。違うのは筋肉に由来しない点で、猫がやせて筋肉が落ちても低く見積もられにくいことです。研究のレビューでは、腎機能低下の感度の高い早期指標とされています。
高いときに考えられること
持続的に高い場合は、腎臓のろ過機能の低下が考えられます。IRIS は、SDMA が持続的に 14 µg/dL を超える場合、早期の慢性腎臓病の診断に使えるとしています。ただし、より新しい研究では SDMA が「見かけ上高くなる」こともわかっています。たとえば甲状腺機能亢進症の猫で、治療前に SDMA が高く、治療後に正常に戻った例があります。1 回の高値がそのまま腎臓病とは限らず、ふつうはクレアチニンや尿検査とあわせて再検査します。
低いときに考えられること
甲状腺機能亢進症の猫の多くは SDMA が低いことがわかっています。甲状腺機能亢進症では腎臓のろ過の速さが上がるためです。この場合、甲状腺の治療後に本当の腎機能が見えてくるので、獣医師はふつう治療後に腎臓の数値を再確認します。
一緒に見ることが多い項目
クレアチニン、尿素窒素、尿検査。シニア猫では甲状腺ホルモン(T4)も一緒に調べることがよくあります。
再診・経過観察の目安
IRIS による猫の SDMA の区分は、ステージ 1 が 18 µg/dL 未満、ステージ 2 が 18〜25、ステージ 3 が 26〜38、ステージ 4 が 38 超で、これも慢性腎臓病と確定し状態が安定している猫にだけ使います。SDMA とクレアチニンが違うステージを示す場合は IRIS に別の考え方があるので、獣医師の判断に任せましょう。1 回だけ高かった場合は、獣医師の指示どおり再検査すればよく、過度に心配する必要はありません。
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尿素窒素(BUN)
たんぱく質が分解されてできる老廃物で、腎臓から排出されます。腎臓のほか、食事、脱水、消化管の出血にも影響されるため、ふつうはクレアチニンと一緒に見ます。
何を調べる項目か
たんぱく質が分解されるとアンモニアができ、肝臓がそれを尿素に変え、腎臓が排出します。そのため尿素窒素は「たんぱく質の量」「肝臓での産生」「腎臓からの排出」のすべてに関係します。クレアチニンと同じく腎臓のろ過機能を反映しますが、ほかの要因の影響をより多く受けます。
高いときに考えられること
最も重要な原因は腎臓のろ過機能の低下です(脱水、腎臓病、尿路閉塞を含みます)。そのほか、高たんぱくの食事、上部消化管からの出血(消化された血液が余分なたんぱく質のように働きます)、発熱やステロイドの使用などたんぱく質の分解が増える状態でも上がることがあり、その場合クレアチニンは一緒に上がらないこともあります。
低いときに考えられること
考えられる原因は、低たんぱくの食事、とても若い動物、肝機能の低下(尿素をつくる力が落ちる)、門脈シャント(肝臓の血管の異常)、尿がとても多くなる病気(糖尿病など)です。
一緒に見ることが多い項目
クレアチニン、尿検査、総たんぱく、アルブミン、ヘマトクリット、肝臓の数値。
再診・経過観察の目安
尿素窒素とクレアチニンが一緒に上がっている場合は、ふつう腎臓のろ過機能に問題があり、獣医師が原因を調べます。尿素窒素だけが高くクレアチニンが正常な場合は、採血の直前に食事をしたか、黒い便など消化管出血のサインがなかったかを思い出し、獣医師に伝えましょう。
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リン(PHOS)
腎機能が落ちると上がりやすく、慢性腎臓病のケアで重要な項目です。若い動物はもともと高めで、甲状腺機能亢進症の猫でも上がることがあります。
何を調べる項目か
リンは骨や体のエネルギー代謝に必要なミネラルで、主に腎臓から排出されるため、腎機能が落ちると血液中にたまりやすくなります。慢性腎臓病の猫では、血中のリンをコントロールすることがケアの重要なポイントです。
高いときに考えられること
最も多いのは腎臓のろ過機能の低下です。そのほか、成長中の若い動物はもともと高め、猫の甲状腺機能亢進症、ビタミン D を含む殺鼠剤の誤食、リン酸塩を含む浣腸剤の使用(猫は特に注意)などがあります。採血時の溶血で見かけ上高くなることもあります。
低いときに考えられること
嘔吐や下痢による喪失、猫の肝リピドーシス(脂肪肝)、チューブでの給餌を始めたばかりの猫、インスリンやブドウ糖による治療(リンが細胞内に移動します)などが考えられます。重度の低値は獣医師による処置が必要です。
一緒に見ることが多い項目
カルシウム、尿素窒素、クレアチニン。
再診・経過観察の目安
慢性腎臓病と診断された猫では、IRIS がステージごとに血中リンの目標を示しており、ふつうは療法食や、必要に応じてリン吸着剤で達成をめざします。獣医師が設定した目標に沿って定期的に確認しましょう。フードの成分のうちリンに関係するものは、当サイトの成分事典の「リン酸塩添加物」と「高リン原料」を参考にしてください。
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受診時の質問
- 水分状態、食事、筋肉量の影響はありますか?
- 尿検査から何が分かりますか?
- 原因の確認中ですか、それとも診断後の経過観察ですか?
匿名報告と比較
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3 院所・3 匹の腎臓指標、血糖、膵リパーゼ、血球数を病気の手がかりと結びつけます。
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